DBCInsight
2022年11月30日
DBCInsightは産業変革、規制改革領域において事業創造に取り組むデジタルベースキャピタルがお届けするレポートシリーズです。
はじめに
PropTech JAPAN、株式会社デジタルベースキャピタルは2022年10月21日にProptech & Contech Startup Conference 2022という不動産、建設DXスタートアップに特化したリアルカンファレンスを3年振りに開催した。当日は約400名が来場し熱気に包まれた。
公募にて選出された20社のスタートアップがピッチ登壇、ブース出展を実施した。オーディエンス投票によるBEST OF PCSC2022、スポンサーによるスポンサー賞のアワードを受賞した企業にお集まりいただき、2022年11月10日にオンラインにてイベントを開催。イベントの振り返りからレガシー産業DXの今後について話を伺った。
PCSC2022にてアワード受賞した豪華4社が登壇
デジタルベースキャピタル須崎(以下DBC須崎):Proptech & Contech Startup Conference 2022 REVIEW EVENTの第一弾ということで、今回はアワード受賞企業特集という形で4社の皆様にお集まりいただきました。豪華ゲスト4名の方を簡単にご紹介したいと思います。
株式会社THIRD代表取締役の井上様、ランディット株式会社代表取締役の藤林様、scheme verge株式会社代表取締役CEOの嶂南様、株式会社スタイルポート代表取締役の間所様、よろしくお願いいたします。
DBC須崎:簡単に会社紹介、自己紹介をお願いします。
株式会社スタイルポート代表取締役間所氏(以下スタイルポート間所氏):住宅販売の分野で3Dコミュニケーションプラットフォームというセールスプラットフォームを提供しております。現地に行かないと意思決定できないだとか、現場に行って打合せをしないと住宅の建設が進まないという課題を解決しています。
scheme verge株式会社代表取締役CEOの嶂南氏(以下scheme verge嶂南氏):我々はエリアマネージメントという領域で、モビリティーデータやセンサーデータを統合して、エリアでどういった施策を打つと、集客につながるのか、消費の活性化につながるのかのご提案をさせて頂くとともに、事業者やエリアの人たちを巻き込んで実施する施策を、デジタルを使って楽に実施できるようにすることで、エリア全体の活性化を効率的かつスピーディーに取り組めるようにするという部分を支援させていただいています。
ランディット株式会社代表取締役の藤林氏(以下ランディット藤林氏):不動産に対して衛星とクラウドカメラにAIを活用して駐停車の課題を解決しております。
株式会社THIRD代表取締役の井上氏(以下THIRD井上氏):不動産管理業界において、紙や電話、FAXなどの煩雑なオペレーションの解消、労働生産性を改善する為のAIを搭載したプラットフォーム「管理ロイド」を提供しています。また、建物、ビルの中には沢山の機械があり、不動産管理会社はその機械に不具合が発生したら工事をするのですが、その工事のコスト削減のSaaS「工事ロイド」を使ってご支援をさせて頂いております。
特化型カンファレンスだからこその反響
DBC須崎:今回お集まりの企業様はカンファレンスで受賞された企業様ですので、そこにスポットライトを当てていきたいと思っております。今回の受賞の率直な感動など教えてください。
scheme verge嶂南氏:前提として、このようなアジア最大級の不動産建設テックのイベントはなかなか無いので、それ自体が良い機会だったと思っております。実際、アワードを受賞させて頂き、事業会社(不動産建設系の会社)はもちろん、投資家からも結構良い反応を頂いて、お問い合わせ等も結構集まっているという状態になっております。
加えて、パネルにご登壇されていた他の企業や大学の先生とも、共同での取組みや、大学の方とは共同研究の話が盛り上がっていて、今後に繋がる良い会だったなと思っているところです。
ランディット藤林氏:貴重な機会を頂いたなと思っております。リハーサルの時に他社さんのプレゼンテーションを少し拝見して、これすごいなと思いました。
また、他社さんを研究する時間もこれまでなかったものですから、良い勉強になったなと思っております。チームメンバーもすごく刺激を受けていて、他社さんのブースにお邪魔させて頂いたり、プレゼンテーションをお伺いしたりして、自分たちがやっている市場の大きさと、熱量のある領域であることをチーム一同で感じられたのは、有難い経験を頂いたなと思っております。
THIRD井上氏:このようなピッチイベントにはあまり出たことがなく、2015年から事業をしているのですが実は2回目でした。貴重な機会を頂いて皆さん感謝しています。
また、アワードもありがたいことに頂戴して、我々のプロダクト、特に工事ロイドに関しては公で発表するのは初めてでしたので、反響もありがたいことに頂戴しました。ブースでは企業様と名刺交換させて頂き、実際に取引に繋がり始めているところも多数ありましたので、当社としては素晴らしい機会を頂戴して大変ありがたく思っております。
スタイルポート間所氏:コロナでしばらくこのようなリアルのイベントは開かれてなかったと思っております。その為、久しぶりに登壇したなと感じました。また、資金調達は大分前に終わっていたので、事業を短時間で説明するという機会はここ2年ぐらい無かった為、7分で纏め、初めての方にご説明するのは大変だった、難しかったと感じました。
アワードに選んで頂き、その旨をプレスリリースさせて頂きましたが、通常のプレスの3倍程度のPVを頂いて、事業やサービスを皆様に知って頂くよい機会になり感謝しています。
7分間のピッチ登壇を20社が実施するカンファレンス
DBC須崎:PCSC2022のピッチに登壇しての感想を教えてください。
スタイルポート間所氏:7分が短かったです。7分でバッサリ切られるという話を頂戴していたが、当日、実際には7分を超えて話している会社もあると自社プロモーション担当から聞いたこともあり、リハーサルより少しゆっくり話してしまった。
結果、半分程度のプレゼンテーションが終了した際、残り時間を確認したところあと2分となっており、そこから先はほぼ息継ぎなしの状態でプレゼンテーションをやり切ったという形で酸欠になりそうでした。
scheme verge嶂南氏:朝一のセッションであったが、朝から大変人が集まっているとの印象を受けた。一日カンファレンスが行われるのに、1社7分だということは、この一日で一体何社がプレゼンテーションするのだろうと思いながらプレゼンテーションに臨んでおりました。
ランディット藤林:自身のプレゼンテーションが上手くないなと感じました。良い会場、オーディエンスも良い中でプレゼンテーションさせて頂いているので楽しめたのですが下手だったなと。自社のメンバーの顔を見たらかなり緊張しました。自分の弱さを感じた気がします。
THIRD井上氏:藤林さんは上手だったと思います。2年半ぶりにプレゼンテーションしましたが、7分にメッセージを凝縮させるために、資料を作成して、スクリプトを書いて、前日に練習するということを実施しました。
夜に会議室に籠ってプレゼンテーションの練習をしていたら、会議室の外に声が漏れていたようで、社員から「何やっているんですか」と言われたりしました。プレゼンテーションをやってみて、7分にメッセージを研ぎ澄ますことの大切さを改めて感じ、不動産の業務は難しいと思っておりますが、その難しい業務内容等を7分で説明するということが大変勉強になったと思っています。
不動産、建設業界の課題に内外の視点から取り組む
DBC須崎:ありがとうございます。皆様の事業についてもお聞きしていきたいと思います。現在の事業を始めたきっかけや背景について教えてください。
ランディット藤林氏:駐車場に着目しているというよりも、我々の考えているのは人的工数を自動化するための技術、生産性の向上にフォーカスをしていて、領域選定というよりも技術選定のほうが我々にとっては中核でした。
AIを活用するのは、コア技術に画像認識と映像認識を据えることによって人的リソースのリプレイスを展開していくためであり、駐車場というのはより解像度が高く、我々メンバーにとっても土地勘があったということでこの領域を選んでおります。
原体験として感じた業界特有の非効率さ
THIRD井上氏:不動産業界は面白いなと思ったきっかけは、前職で企業再生などのコンサルティングをやっていた時でした。たまたま不動産と建設業界のコンサルティングチームに所属していたことがあり、大手ディベロッパーさんの中期経営計画や様々な不動産会社さんのコンサルティングをやっていました。
その前はIT業界でエンジニアをやったり、外資の投資銀行で金融の仕事をやったりということで、色々な業界を渡り歩いてきた中で、不動産業界はマーケットが大きいにも関わらず、かつ外から見てみると業務がブラックボックスになっていることが非常に多く、他業界の目線感からコンサルタントという立場で、経営改革をやってみて、こんなにも非効率なのかということを感じたのが直接の不動産業界って面白いなと思ったきっかけです。
もうひとつ、私どもの会社はテックの会社でなくコンストラクションマネジメントという建設工事のコスト削減とか設備工事のコンサルティング、技術コンサルティングをやる会社であったのですが、その際自分たちが不動産の工事を実施したあとに、ビルメンテナンスの会社さんの傘下で、自らが点検などをやらなくてはいけない立場に追い込まれ、紙が非常に多い業務を自ら経験したので、そのようなところが原体験になっているという感じです。
マンションを購入した夫婦との出会い
スタイルポート間所氏:私は元々マンションのディベロッパーでした。その関係もあり、住宅販売の文脈でWebだとかオンラインを活用するような領域で何かいいアイディアはないかということを考えていました。独立後はいきなりテックに行かず、マンションの完成後の内覧会を運用する代行ビジネスをやっていました。
パートの女性の方を集めて、赤い絨毯を敷いて。そこで、図面を見て買ったお客様が初めて買ったマンションの中に入ってご対面をして確認するというイベントですけれども、それをやっていた時に、あるご夫婦が図面のイメージと初めて中に入ったイメージのギャップにびっくりして、奥様の方が「こんな部屋で生活できるのかしら」と泣き崩れた場面に立ち会いました。
新築マンションは基本的には青田で売りますし、一般の人が図面を見て、空間を理解して、納得をしてその部屋を買うというのは結構難しいなと感じ、解決が必要だと考え、その頃3DとかVRの技術が急速にどんどん良いものが出ていたこともあって、今までの仕事の在り方を変えるチャレンジをしようかということで始めたというのが最初のとっかかりです。
街の賑わいとデジタルテクノロジー
scheme verge嶂南氏:元々10年前に、下北沢とか江古田とか本郷の賑わいをつくる活動に参加をしておりました。街の賑わいを作りたいとの思いと、旨い店の多い街を増やしたい、最終的に地域を活性化することはもちろん、1ユーザとして自分がどこにいっても満足できる環境を作りたいというところが思いでした。
当時研究として都市データや交通データの分析をしており、10年前は今よりもスマートフォンの普及率が低く、SMSやSNSでのチャット、メール、手紙、電話などの通信手段で、何日前に連絡した人と何日後に会うために移動とかが発生するのか、余暇行動が発生するのかを分析していました。
結果として、やり取りの頻度が高ければ高いほどリアルの移動が発生することが分かり、むしろ通信手段が発展することで、それらが起きやすくなっている、また、リモートとかが出来ることでリアルの移動が減ると思っていたんですが、意外と逆でむしろ増えているなというところが分かってきて、だとするともっと色々なデータがとれる世界がくる中で、もっとリアルの賑わいを作るパターンを、AIを使って発見し、再現してくことで賑わいのある街を増やせるのではないかと思ったのが創業のきっかけです。
レガシー、リアル領域だからこそ重視する強み
DBC須崎:皆様のサービスについて一番のストロングポイント、ズバリ一言で表現するとどのようなものになるでしょうか。
THIRD井上氏:僕らはSaaSとかAIの会社ですが、会社として一番気を付けているところは何かというと、うちのシステムをご導入頂いた会社様の経営改革を実現していくということです。
大上段で上から目線で恐縮ですが、やはりシステムを提供している会社と自分自身あまり定義をしていなく、うちのシステムを入れて頂き、労働生産性を改善して、人の空き時間を使ってさらなる利益改善をして頂くために、工事ロイドを提供するという形が良いと考えています。SaasやAIはあくまでツールであって、クライアントが良くなっていくことをコミットしている会社です。
色々なプロダクトはあるのですが、経営コンサルティングチームが社内にあったり、未だにコンストラクションマネジメントのチームがあったり、お客様の工事のコスト削減であるとか、システムとコンサルティングをセットでご提供しているというのが大きな特徴かなと思っております。
スタイルポート間所氏:一言でいうとWeb上で重い3Dのモデルをスマホであろうが、PCであろうが、タブレットであろうがサクサク、インターネットのブラウザだけと使って動かすことができるということです。
なおかつ閲覧している情報をモニタリング出来る。これが出来て初めて、ネット上で室内に入る、室内で意図を伝えるコミュニケーションが出来る。その部分で弊社は一番優れていると思っています。
scheme verge嶂南氏:建築の図など、パースが描けるメンバーも会社の中におりまして、街づくりや建築の知見とAIのテクノロジーの知見を組み合わせ、これまでウォーターフォール型だった都市開発のプロセスをアジャイルに変えていくことが我々の存在だと思っています。
ランディット藤林氏:泥臭さです。AIとかかっこいいこと言っても。THIRDの井上さんの話に感銘を受けています。AIとか言っていますが、うちは全然ITど真ん中の会社ではないです。デジタルとアナログで、アナログを大事にしている会社です。ソフトウェアだけでなくハードウェアでも汗をかくこともいとわない。一言で言うと泥臭さです。
SaaSトレンドの終焉と人材採用
DBC須崎:現在注力して取り組んでいることについて教えてください。
scheme verge嶂南氏:社内では「都入り」と言っていることがあります。創業時は瀬戸内海での案件を実施しており、関西地方や東海地方の案件が中心で、なかなか都心の案件が取れなかったのですが、今後の万博や東京都でもスマートシティが盛り上がってきていることもあり、都心部の案件を取ることに力を入れています。
ランディット藤林氏:採用です。ありがたいことにビジネスの形が見えてきている中、どのように広げていくかを考えたときに、仲間を探すといったフェーズに入ってきているなと感じています。
THIRD井上氏:SaaSの春が終わり、今後を考えるとバーティカルSaaSは一つのプロダクトだと売り上げを伸ばしていくという意味でも厳しいと考えています。その為、未来から逆算し、今何をしなければならないかを考えることに心を砕いています。
SaaSやテックの会社は、今まで、とにかく売り上げを伸ばしていくことが求められていたが、これからは売り上げも利益も同時に伸ばしていかなければならない高いハードルを求められつつあると感じている為、その点を事業戦略の上で気を使っているところです。
スタイルポート間所氏:社内では「点から線へ行こう」と言っていることがあります。販売の現場のスポットの課題を解決するサービスから一歩踏み込んで、会社全体、いわゆる事業課題をどのように解決するかを考えています。
バーティカルSaaSは一つ一つのマーケットが小さいと考えており、一つのプロダクトから縦に縦にどのように伸ばしていくか、機能拡張していくか検討することに力を入れています。
リアルの良さと泥臭さの重要性
DBC須崎:事業を拡大していく上で壁やハードルがあれば教えてください。
ランディット藤林氏:不動産業界は歴史のある業界なので、入り込んでいくのが大変でした。圧倒的な何かが無い状態で参入したため、始めは信用力の部分で汗をかきました。
そのあたりも、泥臭さとスピード感で乗り切りました。これからも沢山の壁が出てくると思いますが、当初苦労した部分はそこだったと感じています。
THIRD井上氏:不動産、建築テック特有の話かもしれませんが、業界全体がレガシーであるところに対して切り込んでいくことは難しいと考えています。
何が難しいかというと、一般的なIT会社が会計や顧客管理のシステムを導入する際に、業界課題をどこまで解像度高く正確にとらえられるかが大変で、これからも大変になっていると考えているからです。
現場の目の前の課題を解決するだけだと投資対効果を意識するマネジメントの人たちは納得しないため、マネジメント目線をもって案件を実施することも大切です。
また、我々の会社は業界の1丁目1番地の誰もが無理と考える課題に立ち向かっています。だからこそコンサルティング部隊を用意しなければならないと考えております。DXといっても、出口がDXであって入口はアナログだと考えているので、我々もアナログで入っていかなければならないと考えます。
そこで、お客様と一緒になって課題を体験し、最小限のテクノロジーをもって解決に導いていく、これがバーティカルSaasの難しいところだと考えています。この部分が不動産、建築業界では、難易度が特に高いのではないかと思います。
スタイルポート間所氏:サービスをローンチして5年目になるが、これまでの経験では不動産屋さんのカルチャーの壁を感じます。頭では便利になることを理解しているが、実際にはインターネット上に情報をあまり出さないようにする、小出しにする、会った際に話すなどで、販売の主導権は渡さないようにする文化が強く、VRを使えば分かりやすく1次判断が出来ると説明しても、「お客様が現地に来なくなるのでいやだ」とよく言われました。
それが大きく変化したのはコロナ禍でした。ロックダウンを経て、必ずしも現地に来なくてもWebを併用することによる営業生産性があがり、コストダウンもできるという実績が増えてきたため、遅れていたデジタル化が進んだと感じています。今後予想される課題は、類似サービスが沢山でてくると考えられるため、追いかけられる立場として新たなプロダクトを考えて行かなければならないというとことでしょうか。
scheme verge嶂南氏:元々地方から事業をスタートした理由として、消費単価の高いエンドユーザの移動データや訪問データを集めようということで、地方の中でも客単価の高い観光地をターゲットに考えました。香川県の直島は海外のアートファンが来るところなので客単価が高く、フェリーで移動しなければならない為、フェリー乗り場に結構並ばなければならない状態があり、そこで漁船を海上タクシーとしてオンデマンド化し単価を上げてその利用者の移動データを取るところから始めました。
その際、漁船を営んでいる方々を口説くために、社員の一人に船舶免許を取得させ、現地で住み込みで働いてもらい、リモートワークで仕事をしてもらいました。その後事業として立ち上がっていきましたが、このような各地に社員を派遣戦略は限界がある為、現在は地銀との連携や現地企業にカスタマーサポートを任せるようなビジネスモデルを視野に入れています。
PropTech、ConTechトレンドの進展を感じたカンファレンス
DBC須崎:カンファレンス全体での印象的な場面を教えて頂けますか?
THIRD井上氏:ブースに立って色々な方々とお話できたのが貴重な体験でした。業界特化型の展示会とは違い、普段アタックしない企業と交流できたのはよかったと思っています。
実際に商談も始まっています。ピッチとブース出展があるのは今回のカンファレンスの特性かなと思っています。
スタイルポート間所氏:Proptech、Contechに世代交代が進んでいる印象を強く受けました。前回も登壇しましたが、前回はProptechのみで、その頃はProptechも流行りであり他のカンファレンスでも出展企業は多い印象がありました。
逆にその頃のContechのカンファレンスにお邪魔した時は今回のように素晴らしいSaasはまだなかったと感じています。今回のカンファレンスでContechの素晴らしいサービスを沢山見せて頂いて刺激を受けました。
scheme verge嶂南氏:イベントの感想でなく申し訳ありませんが、須崎さんが頑張っていたのが一番印象的でした。この人数規模を回しているのはすごいことだと感じています。
ランディット藤林氏:嶂南さんの仰る通りで、須崎さんが二人ぐらいいるのではないかと感じました。iYellさんがダンスをされていたアフターパーティーの仕込みもすごいなと感じておりました。
その他、うれしいと思ったことがあり、井上さんのピッチを聞いて自社のメンバーがTHIRDさんのブースに行って「これいいですね!」と言っていたシーンを見て、好きな人が集まっているなと感じたことがうれしくもあり印象に残っています。
急速に進んだDXを業界全体でさらに前進させるエコシステムを
DBC須崎:最後に、建設テック、不動産テック業界全体における展望や自社サービスの展開についてお聞かせください。
スタイルポート間所氏:バーティカルSaasひとつひとつだとビジネスは大きくならないと考えています。1社1社のサービスが横に連携していくイメージで、建設テックも不動産テックも大きな意味でどこかでつながっていると考えています。
そこで、今はひとつひとつのサービスで、それを頑張らなくてはいけない状態ですが、将来は良いサービスが繋がって面で大きなサービス提供しているような世界が展望なのではと思います。
scheme verge嶂南氏:ProptechとContechが繋がっていく流れは必然ではないかと考えています。建設業界としても、建設だけでなくその先のメンテナンス事業やバリューアップを始めており、不動産業界に近いビジネスモデルになってきていると感じています。業界としてはリカーリング型になっていくと考えており、一度参入した地域の中で複数のプロジェクトを受注できるようなリレーションを重視していく流れもでてくるでしょう。
そこで、どのロケーション、どのような関係性が事業に繋がるのかが、データから見つけられるようになる、これまでWebの世界で行われていたことがリアルの世界で起こってくるのではないかと考えています。
ランディット藤林氏:生産性向上が必須の危機感であることは自明ですが、アナログにはアナログの理由があり、業界には業界の理由があると思っています。
そこで課題の定義がより重要になると考えています。課題は何かを考えることに汗をかくことをいとわないことが重要になってくると感じています。
よって、プロダクト開発であるとか営業ではなく、要件定義の部分が重要になってくると思います。サービスを呈上する側としてはハードルが上がっているように感じていますが、その分業界全体がよくなっていくと考えています。
THIRD井上氏:不動産業界、建設業界には大きく3つ論点があると考えています。1つ目は、他業界に比べてデジタル化が遅れていることですが、コロナもあり急速にDX化が進んでいる状態であり、この状況が止まることはないということです。
2つ目は、ブラックボックス、アナログな業務、そこに従事している人がAIなどで置き換わっていくと業界が提供している価値を改めて考える機会が訪れ、本来業務が何なのかを検討することになると考えています。
最後に、規制緩和等行政を巻き込んだ産業の改革を行っていくと考えています。
DBC須崎:Proptech & Contech Startup Conference 2022 REVIEW EVENTとしてアワードを受賞された4社の皆様にお集まり頂き、業界全体の動向や提供サービス、カンファレンスの振り返りといった内容でお話頂きました。ありがとうございました。
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